道路に落ちていた
2017-04-08


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家から駅に向かう途中の道では、さまざまな遺体に出会うことがある。
暑い日照りのあとでは、多くのミミズが干からびていたり、セミやバッタの死骸が落ちていたり、空を見ていることのほうが好きだから上をみて歩いていることが多いはずなのだが、なぜか道路に残されているものに目が留まる。

もうだいぶ前の話になるのだが、電線にとまっていたスズメが激しく泣いていた。
声のさきを見ると、道路の真ん中に、子スズメらしき鳥の遺体があった。
あのスズメは親なのだろう、と思いながらも、駅に向かって歩き去った。
翌日、その死んだ子スズメは、車にひかれたらしく、同じ場所でペチャンコになっていた。
もう、母スズメの声は聞こえてはいない。

雨が降ると、さまざまな死の痕跡が地面から消えていく。
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